日本企業ではグローバル化が避けて通れなくなっている。
それでも、従来は、海外生産や海外調達を初めとする商取引が中心に過ぎなかったが、
グローバルに企業の再編が起こっている今日では、水平分散・垂直分散を統合化するような、
海外のサプラーチェーンに繋がって行かないと生き残れないところまできている。
その意味で、欧米はもとより、東南アジアもパッケージを使用したプロセスを行っているなかで、
日本だけが独自システムで行っていると、本当に、孤立した国なりかねない。
日本独自のプロセスをなくすことを言っているのではなく、
ベースをグローバルスタンダードに置きながら、
日本独自または企業独自の本当の意味で差別化したプロセスは
アドオン/カスタマイズの追加をすれば良い。
特に、手作りシステムをベースにした場合に、サプライチェーンを繋げるのに
多くの費用と時間がかかるだろうが、その時間を競争相手は待ってくれないだろう。
これが手作りシステムの弱点である。
従来、手作りのシステムは、「使い勝手が良い」、「思ったことが実現できる」、
といわれてきたが、「使い勝手が良い」というのは、前述した水平分散の不足のことであり、
「思ったことが実現できる」というにも、出来あがった頃にはニーズが変わっている。
プロセスを大事にする企業はERPを選択すべきである。
| 選定ポイント2 | グローバルなサプライチェーンの潮流に十分対応可能か |
③継続的な業務改革に柔軟な対応が可能か
市場/顧客が常に変化していることを考えれば、
企業は常に外部環境に対して適合を続けなければ、
顧客に価値を提供することが出来ない。
外部環境に適合するようにビジネスプロセスを変えていかなければならない。
このためビジネスプロセスの変更に容易なERPを選択すべきである。
このためには、ビジネステンプテートを持っているだけではまだ不足で、
現在のビジネスプロセスが目に見える形になっていて、どこのプロセスを、
どのように変えるべきかの議論ができるパッケージが必要だ。
ERPが完全にオブジェクト志向になれば別として、水平分散ができても、
ERPの画面や帳票に依存する部分はまだ多く残る。
画面・帳票のレイアウトはユーザの作業性に直結するので、
クレームが出やすい部分でもある。このような変更はSIベンダーに依存しないで、
ユーザ側で行えるようなパッケージを選択することも重要である。
| 選定ポイント3 | 企業はまず外部環境に適合し、業務改善を継続できる柔軟性が重要 |

④グローバル化の進展に対応できる拡張性があるか この数年間、製造業は海外生産などで空洞化してきた。
ハイテク製品など一部の製品は今後も日本で生産すると思われるが、
今後は、グローバルなサプライチェーンの統合化の中で、
より一層の空洞化が加速するだろう。
国内のサプライチェーンでも水平分散が進めば製造業の形態が変革せざるをえない。
このような環境で製造業が、外部環境に適用するには、
製造以外のプロセスがより一層重要になってくる。
例えば、物流や保守サービスなどである。
ERPの中にはそのようなモジュールが、統合化したプロセスになっているものもある。
ERPの選定では、導入時のニーズだけで決めるのではなく、
企業の5年先までの方向性を考えて選択するほうが良い。
本来は10年先までが望ましいが、変化の激しい時代にあって10年先はむりなので、
せめて5年先くらいまでのビジネスモデルは見通したい。
そのため以下のように
●製造業の空洞化---製造業の商社化
●製造業にとって重要性がます機能---物流機能・輸送機能・保守サービス
●情報技術の進展の恩恵が受けられるか---バージョンアップが容易なこと
●パッケージベンダが時代の流れにキャッチアップできているか
●パッケージベンダのビジョン・開発の方向性に賛同できるか
等の視点でERPを選定することも見落としてはならない。
ERPを選択することは、現在だけを基準に考えれば機能中心で良いかもしれないが、
数年先にも適合する商品を選択しようと思うなら
ビジョンや開発の方向性を重視することになる。
将来動向の見方にはさまざまな意見があるが、
将来のERPはどのようになるかについて筆者の見方を紹介しておこう。
ソフトウエアのオープン化の流れは今後とも加速することになるだろう。
| 選定ポイント4 | 企業の環境変化、情報技術の進展にキャッチアップするだけのビジョンがあるか |
⑤コンサルタントの役割と重要性
ERPに対して顧客が求める価値は、企業へのソリューションである。
したがって、ERP単独では商品として成り立たない、
同時に高度なコンサルテーションもあわせて必要になる。
すなわち、ERPにコンサルテーションを加えて、初めて商品となる。
企業がERPを選択するときには、コンサルテーション力のあるSIベンダーを選択すべきである。
パッケージのコンサルテーションを通じてユーザはパッケージを理解し、
コンサルタントはユーザ業務を理解することによって、よりよいプロセスが構築できる。
従ってコンサルタントは単にパッケージの知識があるだけでなく、
ビジネスプロセスの設計能力が要求される。
ユーザのプロジェクトチームはIT担当とビジネスプロセス担当に分かれるが、
このビジネスプロセス担当の人がパッケージを理解すれば、
ユーザ企業内でのコンサルタント能力が身に付くようになる。
基幹システムを安定的に運用するには、
社内の人間がコンサルタントのスキルを身に付けることが重要である。
ERPパッケージには導入手法が必要である。
ERPパッケージに付属している導入手法であったり、
SIパートナーが持っている手法だったりする。
いづれにしても、導入手法は必ず必要な条件ではあるが、
それだけでは十分条件にはならない。
これにコンサルティングにスキルや経験が必要だ。
従って、コンサルタントの選定条件としては
●コンサルタントはユーザ業務をよく理解していること ●コンサルティングスキル+経験
●導入手法を身につけていること
等から判断することが重要である。
日本でもコンサル会社を使うケースが増加しているが、以下の点を留意すべきである。
コンサルタントの基本的な役割は助言であって、決定するのはその企業である。
そして責任をとるのも企業自身である。
コンサル会社に全てを委ねるのではなく、納得できる結論になるまで議論すべきである。
会社によってコンサルティングの手法・内容が異なっており、目的・作業範囲などは
事前に明確にしておくべきである。
| 選定ポイント5 | ERP選定と併せて多面的なコンサルテーション能力を持つSIパートナーが必要 |

⑥業務コンサルの重要性 コンサルティングを行うコンサルタントにはいくつかの種類があるが、
ややもすると言葉だけが先行していることが一部にありこれらを整理してみる。
社会的に統一した言葉はないので、便宜上、コンサルティングを3種類に分類する。
経営コンサル、業務コンサル、パッケージコンサルである。
経営コンサルは経営分析を行い経営戦略に対する助言と立案の支援をする。
業務コンサルは業務とパッケージの両方に精通していて
業務プロセス設計の助言と支援をする。
パッケージコンサルはパッケージの内容に精通してユーザニーズとパッケージの適合を図る。
どれも名刺にはコンサルタントとなっておりユーザの誤解を生む原因の1つではある。
また1人で3種類のコンサルが出来る人はまれである。
ユーザの中にはERPを導入しさえすれば
BPRが出来るとの誤解を抱いている人もあるが、
BPRにはビジネス目的や狙いが定まっていないと、
どのようなプロセスが最適か判断することは出来ないので、
ERPの導入と同時にBPRを行いたい場合には業務コンサルが必須である。
またビジネス目的や狙いが明確でないならば経営コンサルが、ERP導入前に必要である。
またパッケージのコンサルであれば、パッケージを決定した後でないと活躍の場がない。
ユーザは契約前にコンサルタントの内容を明確に合意する必要がある。
| 選定ポイント6 | コンサルタントは業務コンサルとパッケージコンサルの両面を備えた人材がよい |
<提案依頼書の例>
1. システム概要
1.1 システム化の背景
1.2 システム化の目的・方針
1.3 システム化の対象範囲
(組織・業務機能・拠点・関連会社他)
1.4 現行システム
1.5 新業務フロー
1.6 新機能要件
1.7 新システムの社内利用者
2. 提案依頼の手続き
2.1 提案手続き・スケジュール
2.2 提案に関する問い合わせ対応
2.3 提供資料
3. 提案して頂きたい事項
3.1 貴社推奨製品の基礎情報
3.2 提案の範囲
3.3 システム機能要件
3.4 システム構成
3.5 品質・性能条件
3.6 運用条件
3.7 導入体制
3.8 導入の方法論
3.9 教育訓練
3.10 保守条件
4. 導入に関する条件
4.1 作業場所
4.2 開発用機器、使用材料の負担
4.3 貸与物件・資料
5. 保証要件
5.1 システム品質保証基準
5.2 セキュリティ