::SCM導入による組織変更::
日本でSCMシステムを導入する企業で、最初に問題になるのが組織と権限の問題である。
生販の調整機能が会議体で合意の形成を図っているケースが多い。
ところがSCMシステムの機能を十分に生かそうとすると、
一元管理した販売情報と生産情報に基づいて、
スピーディーに意思決定する組織が必要になる。
したがって、日本でSCMを導入する企業がまず行うべき決定は、
営業-工場を横断して、需給調整を一元的に管理する部門を作り、
その部門に権限を付与し、
需給調整のオペレーション詳細を設計することから始めなければならない。
実際には、権限を付与することだけでも総論賛成・各論反対になるケースが多く、
この合意を形成するだけでも大変な難事業となりがちだ。
それというもの、現状が各部門の利害調整で、
妥協の産物で成り立っていたり、声の大きい人が有利になったりして、
論理的な意思決定がされていないことが多い。
このため、良いことか悪いことかは別にして、少しでも何かを変えると、
企業内のパワーバランスが崩れて、この際、自部門に有利になるように画策する力が働き、
組織間の争いになることもある。
そのときに起こりがちなのは、相手の組織の悪さを面と向かって言うわけにはいかないので、
SCMシステムのため、もしくは、
SCMシステムが悪いからこのようにせざるを得ない、のようなことだ。
需給調整の組織編成をするさいには、この点に留意が必要になる。